年利5000%超!?上限金利も総量規制もなし?日本の常識を超えたイギリスの消費者金融について。

世界は広いとは言いますが、こんな貸金業があるとは想像が出来ませんでしたね。

なんと、年利換算で5000%を超える金利を課している消費者金融があるという。しかも、法律では上限金利も総量規制も決められていないので、違法ではないらしい・・・いったい、どのような事情になっているのでしょうか?

舞台はイギリス。イギリスで消費者金融と言えば「短期の高利貸し」が主流となっている様子です。次の給料を担保に貸し付けを行うので「ペイデイ・ローン(給料日ローン)」なんて呼ぶらしいですが、無担保での貸し付けのケースもあるらしい。

そんなイギリスの消費者金融で代表的な会社が「Wonga.com(ウォンガ)」。この会社、2006年に設立されたまだ新しい会社ですが、短期間で急成長を遂げています。

インターネットを利用した貸し付けを導入しているのがWonga(ウォンガ)の特徴です。パソコンやタブレット、携帯電話で申し込めるほか、iPhoneから申し込みできるアプリも登場。インスタント貸し付けアプリケーション、なんて言うらしいですよ。

申し込みの利便性もさることながら、驚いたのは融資までのスピード感。即日融資などなんのその、即時審査で5分以内に400ポンドならあなたの口座に振り込める、と言うのです!

400ポンドって、約7万円相当ですね。この資金をほとんど即時に用意してくれるとは驚きです。瞬間的に自動審査が行われるシステムもかなりのものです。ただし、審査は意外と厳しく、申込者の1/4程度しか審査に通らないとも言われていますので、申し込んだら誰でも借りられる、と言うわけではなさそうです。

ところで気になる金利ですが、本当に年利換算で5000%を超える利息を請求されるケースがあるのでしょうか?実際、ウォンガのホームページに行ってみると

5853% APR.(年利5853%)

・・・と書いてあり、一体どう計算したらそのようになるのか!?

急成長・・・それもこれも常識はずれの高金利のおかげ?と思ってしまいます。

しかし、実際のところ、基本的にさっと借りて、18日程度(ウォンガの平均的な借入期間)の借入れで返済するのが通常のパターンのようなので、年利換算で計算するのはナンセンス、だとか。そうは言っても、イメージできないこの高金利、本当にこのままで、市民の反発は出ないのでしょうか?

イギリスでもさすがにこの高金利はどうにかせねば、と言うことで、最近上限設定を検討したり、継続しての利用を規制しようとする動きもあるようです。

しかし、面白いのはここから。日本では「金利が下がるのだからOK!借りる人が適正な金利で借りられるのは、借り主の保護になるから賛成!」と言う声が聞こえてきそうですが、イギリスでは違います。上限金利を設定すると、本当に必要な人が借りられなくなり、結果的に違法な業者がはびこる原因になるとの考え方が主流の様子。短期間の借入れでも、業者がしっかり営業できるように高金利設定になっているので、金利を規制すると短期間の融資が行われなくなるのではないか、との懸念があるようです。

日本では「1週間なら無利息で貸しますよ~」とか、「条件を満たせば30日間利息入りませんよ~」なんて消費者金融もあったりするので、イギリスの人にしたら腰が抜けそうな状況かもしれないです。お国柄の違いを感じさせますね。

しかし、本当に日本の状況は借り入れをする人にとって有益なのでしょうか?もしかしたら、イギリスと比較したら破格に安い金利ゆえに、漫然と借り入れるのが当たり前になってしまう原因になっているかもしれません。高金利でも、必要な分だけをピンポイントでサッと借り入れし、利息が高額にならないごく短期間のうちにサッと返す、これが本来ならあるべき姿なのかも・・・と考えてしまいました。