猫がついてくる住宅ローン!? ロシア大手銀行が売り出したびっくりキャンペーン!

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住宅ローンを借りたら、なんと猫がついてくる!?こんな驚きのキャンペーンを打ち出したのは、ロシア最大の銀行ズベルバンク(Sberbank)。一瞬「スベルバンク」と読んでしまった筆者をお許しください。あまりにも冗談めいたキャンペーンだったので、ついつい・・・。猫がついてくる住宅ローン、いったいどのようなキャンペーン内容なのかを、調べてみました。

ズベルバンクが顧客獲得のために始めた「猫付き住宅ローン」は、契約した人には新しい新築のご自宅まで猫をお届けします!というサービス。先着30名限定で、2014年8月16日から売り出されています。そもそもどうして住宅ローンに猫なのか?

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実はロシアでは、入居前に、一番に猫が足を踏み入れると、その家には幸運が訪れる、という言い伝えがある様子。言ってみれば、ゲン担ぎのようなものですね。なので、ロシアの人にすれば、住宅ローンと猫の取り合わせは、あまり突飛なものではないのかも知れません。

さて、具体的に猫付き住宅ローンとはどんな内容なのでしょう?猫付き、といっても猫を1匹無料でくれる、と言うことではなく、新築した新しい家に入居する際に、2時間レンタルしてくれる、とのこと。

この住宅ローンを契約した人は、10種類の猫の写真を見て、お好みの猫を1匹チョイス。ズベルバンクのホームページには、猫のプロフィールが紹介されています。猫にはそれぞれ「ヒョードル」「キャラメル」「タフィー」といった魅力的な名前がつけられ、種類もペルシャ猫やシャム猫、無毛猫のスフィンクスまであり、さまざまです。引っ越し時に人間より先に猫に入ってもらい、その後2時間ゆっくりと過ごすことが出来ます。猫がやってくるタイミングで、パーティーを開いた顧客もいたそうですよ!

なーんだ、1匹くれる訳ではないんだ、がっかり・・・と思ってはいけません。銀行が公開している動画をみましたが、かなりの力の入れようです。

大々的に猫マークが付いた専用ワゴン車で猫を配達し、スタッフのユニフォームやキャップにもすべて猫マーク付き。猫の入ったキャリーカートも猫マーク付きの同様の仕様になっており、セレモニー色が全面に出ています。新婚カップルらしい顧客の玄関口で、なかなか猫が玄関内に入らず、ハラハラ・・・でも、猫が敷居?を跨いだ瞬間に、どの顧客も大喜び!この言い伝えは本当にロシアの人には身近なもので、突飛なものではないのだと感じました。

ただし、猫を届けてもらう際には、猫を虐待しません、という宣誓書を提出するほか、万一猫から何らかの損害を受けた際にも、銀行側に損害請求をしない、と言う誓約書も出さなくてはいけないそうです。こんな話を聞くと、やっぱり相手は生き物ですから、なんとなく物々しい感じもしますね。

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さて、猫付き住宅ローンの舞台はロシアですが、これにならい、日本で同様の「幸運が舞い込む」キャンペーンを住宅ローンに付けるとすれば、どのようなものになるでしょうか?

日本で新築時によく行われるゲン担ぎで、比較的全国区かと思われるのは、万年青(おもと)と呼ばれる植物の鉢植えを一番に運び込むことでしょうか。そのほかにも地域によって、ほうきを入れる、とか、塩・味噌・醤油を運ぶとか、いろいろな縁起物が使われているようです。

また、実際に日本の住宅ローンで、猫付きのようなユニークなサービスが行われているか調べてみましたが、残念ながら猫に勝るような面白い企画はありませんでした。しかし、団体信用保険が「がん」対応になっていて、がんと診断されると住宅ローンが全額返済されるものや、子育て期間中に、手数料無料で返済額をフレキシブルに変更できるサービスを付けたものなどがあり、じっくり探すと意外と役立つサービス付きの住宅ローンが探せるかもしれません。

さて、話をロシアに戻しましょう。

猫付き住宅ローンの発売で、世界中にほのぼのとしたキャンペーンが紹介されていますが、実はそんなイメージとは裏腹に、ズベルバンクの置かれている立場は微妙なものになっています。ズベルバンクは、旧ソビエト連邦時代の国営貯蓄銀行が前身となっている銀行で、国民の間に当時のイメージが根強く残っているのが事実。しかも2014年8月1日から、ロシアのウクライナ進攻を受けて欧州連合(EU)の制裁対象となっています。制裁発動直後の8月16日から猫付き住宅ローンのサービスを始めていることを考えると、イメージ払しょくと業績の改善を狙った、苦肉の策といえるかもしれませんね。