レイクだけ抜け駆けして銀行カードローンになっちゃった件

銀行員

最近の「レイク」のテレビコマーシャルを見て、「おや?」と思った人はいませんか?

「レイク」と言えば、アコムやプロミス、アイフルなどと並んで、広く名前の知られた消費者金融のひとつでした。ある程度の年齢の人なら、「ほのぼのレイク」というサウンドロゴや、恐竜をモチーフにしたキャラクターを覚えている人もいるでしょうね!

しかし、最近のCMをよく聞くと「新生銀行 レイク」というアナウンスが入っています。新生銀行とレイクの関係は、どういうことなのでしょうか?

現在の「レイク」は、CMどおり、新生銀行のカードローンブランドのこと。つまり、現在は消費者金融ではなく、れっきとした銀行カードローンのひとつとして、営業を行っています。2010年6月に、改正貸金業法が施行され、徐々に健全な運営に変化してきた貸金業界ですが、それ以前、2007年ごろから、業界再編の流れが加速していました。貸金業者の倒産や吸収合併が相次ぎ、かなり整理された感のある貸金業界ですが、そんな流れの中でいつのまにか銀行カードローンになっていたレイク。

どのような経緯でそうなったのでしょうか?調べてみました。

握手をしているビジネスマン

かつて、消費者金融連絡会(アコム・プロミス・アイフル・レイク・武富士・三洋信販)の中に入っていた、消費者金融の最大手の6社に入る企業だったレイク。しかし、2003年に消費者金融連絡会を脱退後、2008年にはGEコンシューマー・ファイナンス株式会社(現在の新生フィナンシャル)に買収され、GEキャピタルと言う金融部門の下で、消費者金融事業を展開していました。

しかし、当時の業界ではグレーゾーン金利と呼ばれる法外な金利の適応から、多重債務に陥いる人が続出。ムリな返済から自殺者も増加するなど社会問題になっていたことから、時代の流れは貸金業法の改正へと向かいます。

法改正に伴う金利引き下げや、過払い金請求訴訟により業績の悪化が避けられないとして、GEコンシューマー・ファイナンス株式会社(現在の新生フィナンシャル)は「レイク」の売却に乗り出します。2011年10月から、消費者金融「レイク」は申請フィナンシャルから新生銀行に事業譲渡され、銀行カードローンのレイクとして再出発することになりました。この事業譲渡は、レイクの商標や人員だけでなく、レイクの店舗もすべて含めてまるごと銀行に譲渡した、国内で初の事例になりました。

このような経緯で、現在「レイク」は新生銀行カードローンとして事業展開しているのですね!

銀行

では、レイクが新生銀行カードローンになったことで、どのようなメリットがあったのでしょうか?

①総量規制が適応されない

銀行は、銀行法の下に運営されているため、貸金業法の適応を受けません。したがって、貸金業法の決まりごとである「総量規制」も適応外となります。総量規制とは、お金を借りる人の、年収の1/3以上を貸し付けてはいけない、と言うきまりのことです。例えば年収600万円の人なら、貸金業者から合計で200万円までの融資しか受ける事はできません。

しかし、銀行カードローンならこの決まりは関係ありません。審査に通れば、限度額を高く設定することが可能です。つまり、年収の1/3を超える、高額な借り入れも可能です。

②消費者金融のノウハウを生かし切った銀行カードローン

銀行カードローンにはなりましたが、もとは大手の消費者金融。顧客サービスや商売の方法には、たくさんのノウハウを持っています。現在、初回の申し込みで、借入金額に応じて30日か180日の無利息サービスが選べるようになっていますが、このような細かいサービス設定は銀行カードローンでは珍しいですね。また、店舗ごと譲渡されたので、自動契約機コーナーが「新生銀行本店レイク出張所」に名称変更。事実上、各都道府県に新生銀行の拠点が一気に広がりました。

③営業の自由度が広がる

日本貸金業協会では、過去の社会に与えた影響から、過度な広告活動を自主規制しています。
例えばテレビコマーシャルは、2006年4月以降、午前7時~9時と午後5時~10時には放送できなくなっています。また、1か月あたりのCM本数も100本までにするなど、細かいルールがあるようです。しかし、実際に「レイク」のテレビCMはよく見かけますよね。つまり、レイクは銀行カードローンなので、こういった規制の対象外になっているからです。

④銀行が母体の安心感

やはり、消費者金融ではあまりよくない印象を抱く人が多いのも事実。しかし、消費者金融でなく、銀行貸し付けとして利用できることは、利用者にとっては大きな安心要素のひとつになります。

このように、紆余曲折あったレイクの歴史ですが、振り返ってみると結局いいとこどりした感のあるレイク。結果オーライ、と言う感じがします。業界再編で消えて行った消費者金融の数を考えると、ちゃっかり銀行カードローンに変身して生き残ったレイクは、つわものと言えるかもしれませんね!